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私は幸いなことにいくつかの著名な事件にかかわることができました。
その際いろんな人との出逢いがありました。
とくに政治や行政に携わる方々。私たちのこの国の統治に直接にかかわる人たち。与党として政権を担い、野党としてその抑制にあたる政治家。政策を決定しその実施にかかわる行政専門官。 テレビでのマスコミやバラエティーではややもすると政治家また官僚と一束にされ、あるいは心ない揶揄、中傷、揚げ足取り、さらにはお笑いのネタや怒りの対象にまでされてしまう。 ささやかではあるものの私が対峙した政治家であり官僚の人たちは、今をともに生きて在る人間として、血潮やその息づかい、うちにこめた熱と理、それらが発露する対話での振る舞いおいて、あまりにかけ離れた姿でした。 このコーナーでは、その方々へのお礼にかえて、解決すべき事件を真ん中において向き合ってなした交渉や雑談の断片をすこし物語りたいと思います。 ご登場いただく人物はいずれも私にとって=先生=と呼ぶべき人たちです。ただこのコーナーでは、とくに親しみの心をこめて=さん=と呼ばせていただきます。 3ヶ月に1度(1月、4月、7月、10月)の更新を予定します。 政治家では野中広務さん、中川智子さん、瀬古由紀子さん、金田誠一さん、坂口力さん、与謝野馨さん、行政専門官として大谷藤郎さんなど40人くらいの方々を考えています。

保岡興治さん■情理に篤き人

保岡さんは15歳年上、法曹の大先輩。自由民主党に所属され2度の法務大臣。そのほか「精神障害に起因する犯罪の発生を予防するための方策の検討」に関する法務省・厚生省合同検討会座長、党憲法改正推進本部長、裁判官弾劾裁判所裁判長 […]»続きを読む

池永満さん=哲理の人

2012年12月1日池永満さんは亡くなられました。 ちょうど丸2年がたちます。 弁護士登録した初めのときから私を引き立ててくださいました。 医療過誤訴訟からハンセン病問題まで、患者の権利を確立する仕事を中心にご一緒させて […]»続きを読む

神美知宏さん―振舞いに端正を極めた人

  追悼 神美知宏さん=振舞いに端正を極めた人 2014年12月6日に郷里である豊前市において5月9日に逝去された神美知宏さんの偲ぶ会を開催します。 この偲ぶ会によせた追悼文を掲載します。   お会い […]»続きを読む

与謝野馨さん=動ぜずに考え伝え実現する人

与謝野馨さん=動ぜずに考え伝え実現する人 はじめてお会いするのに旧知の間柄。2007年12月24日午後17時45分ホテルオークラ東京2階桜の間で初対面。 挨拶がわりに「もしかして件の人がかかわられたのでしょうか。」と私。 […]»続きを読む

大谷藤郎さん=心に花を抱く人

大谷藤郎さん=心に花を抱く人   大谷藤郎さんとはハンセン病訴訟において対峙させていただきました。でも話は精神保健にまつわるあたりからはじめなければなりません。 精神科病院の職員が入院中の患者に暴行を加えて2人 […]»続きを読む

坂口力さん=弱い人に身を折ることのできる人

坂口力厚生労働大臣にお会いしたのは2001年5月14日午後5時30分過ぎ。 大臣控室で案内を待ちました。同省健康局長も同席。 判決後まもなく野中広務さんにこの面談をセットしていただきました。   「らい予防法」 […]»続きを読む

金田誠一さん―いつも清爽とした笑顔を贈る人

金田誠一さん―いつも清爽とした笑顔を贈る人 私たちが熊本地方裁判所に「らい予防法」国家賠償訴訟を提起したのは1998年7月31日です。 この問題で、最初に国会議員団を派遣してくれたのが民主党でした。 民主党議員団は、隔離 […]»続きを読む

瀬古由起子さん■大粒の涙がにあう人

人の記憶というものは誤るもの。なにをいまさらですが。 証人の記憶が、被害者の目撃証言でさえ、誤った記憶が確信へと構築される。 これは私たち法曹人の常識です。 その常識を知っているはずの私自身が、何の疑いもなく誤った記憶に […]»続きを読む

中川智子さん■人の痛みをみずからのものにして伝えることができる人

私たちは政治家という人たちに対して一様に色づけて見てしまいます。政治家という役割に関する古いイメージが重なって固定的な思考と認識と感覚を先行させてしまう。政治家というすべての政治家は政治家である前にひとりの人間です。考え […]»続きを読む

野中広務さん■人々の痛みのなかにその身をおける人

はじめてお会いしたのは1998年9月7日だったでしょうか、8日だったでしょうか。当時の備忘録を大切に仕舞い込んでどこにあるのやら。手帳ではいずれかの日に野中さんにお会いできる予定を書きこんでいます。衆議院議長、参議院議長 […]»続きを読む